強化人間の暗殺






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スペースレスキュー隊内部の強硬派が秘かに進めていた計画。
過去の戦争で研究されていた戦闘用強化人間のゲノムを入手し培養、クローン人間による忠実な戦闘実行隊を組織。
各方面より水面下で進められている権力掌握の一環として秘密裏に進められている計画だった。

その第一号が彼女だった。
まだ十三歳。架空の記憶を与えられ、自分が戦闘クローンである事は全く知らずに訓練校に在籍している。
成績は学科、実技ともに異常ともいえる好成績であり、一般の生徒達とは全く異なるプログラムでの教育が進んでいた。

強硬派の計画はその一部が察知されてはいたが、SR隊のみならず政界、財界にまで権力を広げている強硬派を一気に処断することは不可能だった。
しかしながらその野心的な計画に警告を発し、その行動の抑制を図るサインを送る事が必要だった。

その標的となったのが、強化クローン人間一号の彼女だった。

武装クラスターに搭乗する途中の狭い通路。
それが彼女の死の罠となった。
避けようも無い空間で設置されていたニードルガンが作動。パイロットスーツの少女を鋭いニードルが襲った。
その身体深くに突き刺さったニードルからは、少女の体内に青酸ガスが注入される。
通路内は電波が遮蔽されており、スーツの通信機能は使えなかった。
死が少女を包むまでの短い時間
彼女の悲鳴は誰にも届かなかった。

無論少女には何の罪も無い。
しかし正義が実行される際のわずかな犠牲。それは平和を維持するためには止むを得ない事だ。

強硬派の計画名「プル2」
かつての戦争で実績を上げた戦闘強化人間からとられたその名の計画は阻止されなければならなかった。




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