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学校の女子トイレから、仲良く出る二人の女子生徒とすれ違った数学教師の複嶋千尭は、彼女等の発する、かすかな樹膠(ゴム)の臭気を嗅ぎ取った。
その何日か後、食料を買ふため、DIYショップに立ち寄った複嶋千尭は、件の女子生徒である深坂実九が、給油作業用に使ふロングスリーブのゴム手袋を買ふ所に出くはした。
とりあへづ挨拶をすると、一応逡巡し、避けやうとするので、送ってやると無理矢理車に連れ込み、
「古沢ゆかさんと、やってるのね?」
聴いてみると、女子高生は頷く。教師は、
「同性愛はいいけど、校内でやらないこと。それから相手は体が汚いからとか、女は汚れているからとか言ってグラヴをはめてやるんならやめなさい」
と、言ってみると、みくは顔を上げ
「あ、あの ユカが かういふのが好きで これが売ってなくて その」
千尭は自宅へハンドルを切り
「ぢゃあ内に行くわ。全身をラバーでびっちびちにしちゃひませう。」
やや広い家の地下にある、部屋へ通した千尭は、脱衣させたみくを、室内奥部にある円形の台へ連れて行き、天井部から垂れる管を銜へさせると、
「先生もやるから、二十分くらい 銜へてて」
脱衣しウィッグも取った先生が台に乗り物を銜へると、筒状のガラスに仕切られて、液で満たされる。何者かに総毛立つみくは、口へ全神経を集中し呼吸だけを考へる。透明な巨大チューブが織り、液で満たされ、夥しいマニピュレーターによって体躯を清められ体毛を剃り取られる。
気づくと、全身に人体を戯画化したラバーが貼付けられていた。同じやうな格好の千尭が、奥から液体の入ったボトルを持って
「まあ 可愛い」
股間の橋型に手をやるみくへ
「媚液搾取機能の付いたのだから、ちょっと異様だけど」
と言って、液体をみくの前に出す。彼女の鼻孔から、甘い香りの後なにかの興る官能が湧く。
おのれの体から愛欲を催す液が出るのを確認したみくは、興奮しディルドウをしごきながら
「ゆかに このカッコを」
全身を搾り上げる官能に塗れる女生徒を見ながら 千尭は
「ぢゃあまう二日くらい ゴムと遊んでからね」
その二日後、深夜の公園を、十周しろと言はれたみくは、ラバーで全身を被ひ、公園でしかるべきノルマを終えて、ゴールであるワゴン車へ帰ると、中からゴワゴワ ギチギチといふ音に混じって、古沢ゆかの喘ぐ声がする。勢ひよくドアを開けると、ラバーを貼付けた複嶋千尭が裸の少女を弄ひながら
「ほらユカ みくちゃんが帰って来たわ」
みくは橋型を扱き、
「せんせえ」
何かを言はうとする彼女へ、ユカがしなだれかかり、フェロモンに塗れた顔で
「みくはぁ ゴム嫌ひだからぁ こんなもの」
相棒の黒い亜膚を擦り、紅潮するみくの唇を吸ひ
「入れて」
撓む橡膠に責め苛まれるみくは よくわからないままユカの体へ液をかけ秘処へ搗き込み抱きしめた。
意識が戻ったとき 二人は複嶋千尭の家の ベッドで
裸のまま抱き合っていた。
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