そのホールの地獄と化していた。 基地のほぼ中央にあり、複数のエリアの結節点ともなっているそのホールは、戦術上重要な位置づけとなっている。 だが、戦術面よりもデザイン性を考慮された通路は遮蔽物がない、そのため周囲の狙撃から身を守ることができない。 通路を占拠しては奪い返され、それがすでに3回も続いている。 通路での放火の応酬が一時的に収まったころを見計らい二人の兵士が通路を駆け抜けようとしていた。 この惨状に顔をしかめる、もしもヘルメットのバイザーがなければ、血の臭いとと肉の焼けて臭いで息が詰まっていたかもしれない。 それでなくてもこの惨状は目を覆いたくなる。 ふたりは一気に通路を駆け抜け先のドアに飛び込んだ。 ふたりはその時点で一瞬ほっとしたような表情を浮かべた。 だがこの二人はこのわずか3分後、敵兵の奇襲により一人は心臓を打ち抜かれ、もう一人は背中に軍用ナイフを突き立てられ絶命することになる。 が・・・・この時点ではそれを知る由もない。 |