〜drysuit comedy・スーツだらけのスパリゾート〜




「私は今、パリ近郊のスパに来ています。見てください、この大パノラマ!!」

アマゾン河縦断に成功した超絶重潜水装備アイドル・道草クーラは、赤坂テレビの辣腕プロデューサーにその実績と奇特さを買われ、局を代表する看板クイズ番組『世界ふかしぎ発見伝』のミステリーチェイサーとして海外ロケの最中だ。

パリの芸術が今回のテーマらしく、スパリゾートを訪問したのもそこはかつて著名な芸術家達に愛された老舗だったからである。

「温泉じゃ流石に潜水装備の出番は無いよね、うん」

辣腕Pの威光でクーラのロケは他のミステリーチェイサーに比べてハードなものだった。ある日はサメだらけの海で檻に入れられ放置プレイされたり、また別の日には流氷漂う北欧の地で寒中潜水させられたり……

「あぁ、これはきっと神様が真面目に頑張るあたしにご褒美をくれたに違いない!!今日こそはこのまま水着のまんまで終わりますように……」

「クーラさん、今回のクエスチョン撮影現場はここですよー?」

その結果、潜水装備でのテレビ露出が多くなり、今では海外のスーツフェチ雑誌からもグラビア撮影の仕事が舞い込んでくる始末だ。

もちろん仕事は仕事、多少のことは我慢するのだが、彼女は冒険バカでもなければ好き者外国人でもない。只の売り出しが軌道に乗ったばかりのアイドルだ。スーツに袖を通さないまともな仕事をやったって罰は当たらないはず……

「それではここでクエスチョンです。このスパにはデザイナーのジョヴァンニ氏が手掛けた、ある斬新な施設があるそうです。なんでも、セレブの間で美肌とダイエットに効果テキメンと噂されているようですが……その斬新な施設とは、いったい何でしょうか?」

粛々と撮影を進めながらも、久方ぶりの肌の露出にクーラのテンションは高まっていた。

(やった!!久しぶりに肌が映ってる!!キャメラさんもっと映して!!)

肌の手入れを欠かさず毎日やってて良かった、これで少年誌でもグラビア撮影あるに違いない。

こんなクーラの妄想は、正解の撮影に入った瞬間に打ち砕かれることとなる……

「はいクーラさん、これ付けてくださいね〜」

「は、はぁ……」

そう言った女性スタッフに渡されたのは、スパで採れる果物やハーブをふんだんに使った美容液に浸された、全身タイツ。嫌な予感しかしないクーラがそれに袖を通していると……

「ディレクター、例の【ブツ】用意出来ました!!」

「よし、早速持ってこい!!」

「例のブツって……そんなぁ!!??」

嫌な予感は見事的中。
施設の更衣室にADが運んでくるのは、ドライスーツ・フルフェイスガスマスク・リブリーザ……紛れなく、クーラの潜水装備である。

「これを着て、クーラ君には今からサウナに入ってもらう」

「ちょ、ディレクター!?サウナとスーツなんて、関連性が皆無じゃないですかっ!!」

「美容液を全身に隈無く染み込ませる為、ウェットスーツデザイナーのジョヴァンニ氏が試行錯誤の末にたどり着いたのがこの方法だったようだ。全身パックとは正にこの事だな、うん……」

「よよよ……感心しないでくださいよぉ〜」

ジョヴァンニがスーツデザイナーとは夢にも思わなかったクーラ、今回もスーツの呪縛から逃れることは出来なかった……観念して潜水装備を装着したクーラは、腹をくくってサウナの中へ。

『な、なんだか(シュコー)、温かい霧の中にいるような(シュコー)気分です(シュコー)』

サウナの中で腰を落ち着けしばらくすると、熱で温められた美容液が霧となってドライスーツ内に充満する。

『あはぁ……い、(シュコホー)いいかも……(シュコホー)』

スーツ内で全身パックしているクーラ、体の温もりと気化した美容液の香りで心地よくなっているのはくぐもった声でよく分かる……のだが、タイツによる全身パックと潜水装備のおかげで、顔の露出は瞳だけにとどまっている。

『なんか売り出す方向性間違えた気がする……(シュコー)』

後悔の色をガスマスク越しに隠さないクーラ、だがそれがいい。目は口ほどに物を言い……と昔から言うじゃないか。

〜渋々蒸されること5分〜

『はぁ……(シュコー)ふぅ……(シュコー)はぁ……(シュコー)ふぅ……(シュコー)す、すごいです(シュコー)、熱いです(シュコー)……』

スーツの外側は凄まじい熱気で充満しているが、全身タイツにドライスーツの重ね着では、スーツ内の熱にも逃げ場が無いのと同じこと。今のクーラには茶碗蒸しの気持ちがよく分かるに違いない。

そして限界近付くクーラに追い討ちをかけるべく、ある人物がサウナに乱入する……

「ハーイ、Ms.クーラ?」

『あっ……あなたはっ!?』

その人物、髪はブロンズのナチュラルパーマ、出るとこは出て引っ込むとこは引っ込んだアバズレ体型、そして全身を光沢に包み込む黒光りするラバースーツ。

彼女の名はキャサリン、アメリカのフェティッシュ誌業界で一目置かれる存在のキャメラマンだ。

「Ms.クーラ、ユーの映画を偶然見つけてから、ずっとforget出来ないデース!!だから今日は、ユーを【写撃】しにきマーした!!」

『(シュコー)それってダブルブッキングじゃないですかっ!?……っていうか(シュコー)、あたし何にも聞いてないんですけどっ!!』

「ノープロブレム、番組のプロデューサーとユーの事務所のシャチョさんはGoサイン出してくれマシター!!」

『知らぬ間に話が壮大にっ!?』

クーラに是非も無いことを底抜けに明るく伝えたキャサリンは、防水加工が施されたデジカメを取り出すと……

「ぐふふふふ……イキマース!!」

『ひぃぃぃい〜〜っ(シュコココシュー)!!??』

写撃開始である。

「まずはネコのポーズを取ってくだサーイ」

『はぁ、ふぅ……(シュコー)こう……ですか?』

「ノンノン、もっと泥棒ネコのように盗人猛々しく!!」

『何ですか泥棒ネコって!?』

流石にフェティッシュ雑誌業界のトップを走るキャメラマン、無茶振りの角度が違うのだ。

「ガスマスクを愛でるように撫で回すデース、そしてダブルホースも!!」

『は、はいぃ……(シュコー)』

「そのまま上半身まで撫でくり回してセクシーアピール!!」

『はぁ、ふぅ……』

「More stronger,OK?強く、そして激しく!!プレ〇ボーイとペ〇トハウスがナンボのもんジャーイ!!」

アメリカの有名グラビア誌相手に闘志剥き出しのキャサリンは、クーラに対する無茶振りのギアを更にアゲてきた。

「サウナと言えば……シャドーボクシングデース!!!!」

『えっ……ええぇぇええ?!?!』

「打つべし打つべしデース!!」

『ふ、ふにゃにゃ……(シューコォー)』

キャサリンによって強引に立たされたクーラ、シャドーボクシング前から既にグロッキーなのだが、そんなことはお構い無し。

「脇を締めるデース!!」

『はぁ、ふぅ……』

「次は攻撃型のデトロイトスタイルデース!!」

『ふひぃ……(シュコー)はひぃ……(シューコォー)』

全身タイツでサウナでスーツ、その上背負うのはリブリーザ、顔にはノーズカップ付きのフルフェイスガスマスク。こんな調子でシャドーボクシングなんかやらかすもんだから……

『せ、せ、世界がぁ、ぐ〜にゃぐ〜にゃ……(父さん、母さん、先立つ娘を許してください……)』

……ま、当然の顛末でしょうよ。

「キャサリンさん、これ以上は……」

「チッ、そこの出口からダイブするデス、この下は水風呂デース!!」

「舌打ちした!?今舌打ちした!!」

些か残念そうなキャサリンだが、このままではクーラの命が危ない。潜水装備女を抱えたラバー女は、出口を開け放つとそのままプールへとダイブした。

水しぶきのその後に見えたのは、水面(みなも)に浮かぶ2匹の場違いマーメイド。

「生きてマスか、Are you OK?」

人工浜辺にクーラを転がし、彼女のガスマスクとフードを脱がせたキャサリンは……しこたま驚いた。

「Wow!?it's Amezing!!」

余分なモノを蒸し落とし、かつ美容液をグイグイ吸い込んだクーラの肌は、赤子のようにスベスベプルプルになっていたのだ。

「え、えへへ……やっと顔が写った……」

〜それからどした〜

「すご〜い、どこもかしこも生まれ変わったみたい……」

ロケから生還したクーラが自分の部屋でくつろいでいると、

「ハーイ、お疲れデース♪」

「ひいっ!??!」

突然キャサリンが訪問してきた……というよりは、ベッドの下に忍び込んでいた。相変わらずのラバースーツに黒い男根のパンツ、そして大きなトランクを抱えて。

ベッドの上のクーラを手早く拘束したキャサリンは、目にも止まらぬ早業で用意したラバーとガスマスクを彼女に着けさせる。

「映画を観てからず〜っと……ユーをtasteingしてみたかったデース」

「あ、あ、あばばばば?!!?」

必死にもがくクーラだが、歪んだ性欲の箍(たが)が外れ雌豹と化したキャサリンの馬鹿力から逃れることが出来ない。

「ユーがあんな潜水装備で誘うからイケナイのデース!!もう辛抱たまらん……Ya、Ra、Nai、Ka?」

「掘られるぅ〜〜〜〜!!??」

その禍々しい凶器のようなゴムの男根は、クーラの女の操を破らんと彼女に襲いかかり……

「Ms.キャサリン、次の撮影現場に行かないと……」

「にゃっ!?何するデースか!!」

……間一髪で急停止。
2人の黒服に両脇を抱えられ、キャサリンは只々ジタバタしている。

「No〜、お楽しみはこれからデース!?」

「スケジュールがミッチリ詰まってるんです、大人しくしなさい!!」

キャサリンは黒服達に呆気なく捕らえられ、次の撮影現場へと連れていかれた。

「た、助かったぁ……」

胸を撫で下ろす、クーラであった……

〜スーツだらけのスパリゾート・了〜



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