Crazy MERMAIDs〜第2匹【盗んだスクーターで走り出す】〜
勝手にオープニングテーマ→カフェイン/She's a knockout
〜前回のダイジェスト〜
姉・美碧の遺志を継いで海底遺跡捜索に乗り出したエメラルダス=緑子。出足から追い剥ぎ2名に囲まれ早くも絶体絶命のピンチに陥るが、そんな彼女を救ったのは、全身武装の謎のダイバー娘。危機を脱した緑子は、海底施設の入口付近にある警備員宿直室へと身を寄せるのだった……
「……ぷはぁっ!!すみません、驚かせちゃって」
「えっ、あなた……女の子!?」
宿直室の第1扉を閉めて水を抜き、第2扉を開いた二人は一安心した様子で腰を下ろして深くため息をついた。
そしておもむろに顔の装備に手をかけた時に、重装備ダイバーの正体が女性であるという誰得な事実が発覚してしまった。
水中下では命綱に等しい酸素ボンベを床に置いた緑子は、リブリーザを脱ぎ終えた重装備ダイバーに、まずはその素性を聞いてみることに。
「私、エメラルダス=緑子。あのさ……どうして私を助けたの?」
するとダークブルーの髪色をした重装備ダイバーは、申し訳なさそうに自分のことを語り始めた。
「あのぅ……あたし、道草クーラって言います。今はアメリカで、曲がりなりとも賞金稼ぎをやってます」
「あー、それで武器の扱いが……なんか納得」
「ですが、なかなか賞金首を捕まえられずに経費ばかりかさんでしまい……」
そこで貯まった請求書を一掃すべく、カジノで一発逆転を試みるも、『貴女を弄びたくなった』との理不尽な理由でチャイニーズマフィア・九龍会の女ボス・黄包龍(ファン・パオロン)と、負ける度にラバーでギチギチになる変則ルールの着衣麻雀で勝負する羽目になってしまい……
〜クーラの回想〜
「悪いわね、ロンよ♪」
「そんな、6巡目に小四喜!!??」
「そういうわけで……執行ね」
「んひぃぃぃい!??!」
あたしはパオロンさんの掌で転がされるようにコテンパンに負けてしまい、黒光りするPVCラバースーツとフードを着せられて、さらにその上にPVCラバーで出来たメイド服を強制重ね着させられ、
「これで完成……これならすぐにでも買い手がみつかりそうね」
「むぐぅ〜っ、んおぉ〜〜?!?!」
ゴムの猿轡を嵌められた後にN10ガスマスクを被せられて、ついに全身ラバーで覆われてしまいました……
「さてさて、早速お得意様向けにオークションを……」
「うぐうむぅ、むぐぉぉ〜!?」
あたしはラバー奴隷だけは嫌だ、と必死に懇願しました。そしたらパオロンさんは……
「言いたいことはよく分かるわ。それなら今、取って置きの事業を抱えてるんだけど……あなたがこしらえた借金なんか、一息で吹き飛ぶようなビッグビジネスよ?」
今思えば、着衣麻雀は仕事で困ってるあたしのことをどこかで耳にしたパオロンさんが、ハナからあたしを事業に抱き込むために仕込んだことだったのではないかと思うんです……
〜回想・了〜
「そこで奴隷として売り飛ばさない交換条件に、先方からここの調査を命じられて……財宝が見つかったら、九龍会の息のかかった海洋調査会社がサルベージするそうです。あなたのことも、パオロンさんから事前に聞かされていました」
「壮絶な回想……っていうかすごいのね、裏社会の情報網って……」
まったく、プライバシーの欠片もない世の中である。
「あたしは古代文字なんか読めないから、あなたがいないと……」
「でももし、宝の在処が解ったら私は用済み……ってことはないよね?それだけは確かめさせて」
「もちろんです!!そんなことしたら自分で死亡フラグ立てるようなものですよ」
キッパリとこう口にしたクーラの瞳に、嘘偽りは感じ取れなかった。
「それじゃ私のボディーガードをお願いするわ。ちゃんと守ってよね、クーラちゃん♪」
「こちらこそよろしくお願いします、緑子さん!!」
守ってもらいたい緑子と、古代文字を解読してほしいクーラ。太平洋でここに、利害が一致した二人による即席コンビの出来上がりとなった。
「そうだ、『フーディエさん』と通信を……」
するとクーラ、両腿に巻き付けてあった小さめの箱の中身を通信機に組み立てて、『上』にいる彼女の連れに連絡を取りだした。
「あー、こちらクーラです。警備員宿直室に到達、緑子さん確保にも成功です」
「見立てよりも遅かったじゃない、何かトラブルが?」
「それが、その、正体不明の女性ダイバー2人が緑子さんを襲おうとしておりまして……」
「地図狙いの海賊かしら?この辺りの海域じゃあ女だけの海賊団が海を荒らしてるって噂よ、多分一味の奴らだわ。用心に越したことは無いわね」
二人の頭上、緑子の舟を繋ぎ止めたクルーザーでは、ハンモックに揺られながらラバースーツ姿で日光浴をしている、やたらロングなツインテールの女がいた。
彼女の名は張胡蝶(チャン・フーディエ)、パオロンに縁のある殺し屋だが、詳しいことは別の話。今回はバカンスという名目で、クーラの付け馬を半ば強引に任されてしまった。
ちなみに【付け馬】とは、その筋の業界用語で『負債者に逃げられないための見張り役』のことを指す。
二人の無事を確認したフーディエは船上から次の指示を伝える。
「クーラ、とりあえず水上スクーターを第1倉庫から回収してちょうだい、あるに越したことは無いわよ。Ms.緑子にも同行をお願いするわ、あなたを巻き込んでしまったみたいだし、お宝が見つかったら相応のお礼はさせてもらうから」
「行くしかない……か、了解!!」
こうして、小休止を挟んだ後に互いに通信装置を装着し、再び潜水装備を整えた二人は、大きく口の開いた施設の入口をくぐると第1倉庫目指して泳ぎ始めた。
もともと遺跡研究・調査とその後に海底リゾート物件として富裕層向けに分譲する目的で建てられたこの施設。しかし遺跡の財宝や施設の利権を巡り内部構想が勃発してしまい計画は頓挫、そのほとんどがすっかり海水に浸かってしまった施設内は、今や魚や海藻の格好の棲家となっている。
「皮肉よね、セレブに分譲するはずの海底施設だったのに、実際住んで暮らしてるのは海の生き物だけ……だなんてね」
「祇園総社の鐘の声(シュコー)、諸行無常の響きあり(シュコー)……ですか」
ここでかつてヒトが活動していたとは思い難い中の状況に、少しばかりしんみりとしながらゆったりと泳いで探索するLAMAダイバーと重装備ダイバーは、第1倉庫へとつつがなくたどり着く。
第1倉庫には施設外部の補修・修繕や、調査や警備に使われていた物資が保管されているようだが……
「うわぁ……腰が浸かっちゃうよ〜」
「長時間水浸しでハダカの物資は使えそうにないですね……(シュコー)」
水抜を済ませ第2扉を開けた緑子とクーラの視界に飛び込んできたのは、すっかり床上浸水している倉庫内部の光景だった。突如の浸水に備えて潜水装備は脱がないまま、二人は目的の水中スクーターを探すことに。
「ん?これは……(シュコー)」
するとクーラが何かを発見したようで、それが使用可能であるのを確認すると早速緑子に手渡した。
「クーラちゃん、これは?」
「これは釘が発射出来る水中対応型ネイルガンです(シュコー)、一応、護身用に持っていて下さい(シュコー)釘束さえあれば(シュコー)撃ち出せるみたいですから」
「う、うん……(戦闘フラグが立つ前触れみたいじゃない、なんか縁起悪い……)」
不吉な予感しかしないが自分の身を案じての思いやりである、無下にするわけにもいかず、クーラの見つけたネイルガンを受け取る緑子だった。
緑子 は ネイルガン を 手に入れた!!
緑子 は 釘束 を 手に入れた!!
そんなこんなで水を掻き分け倉庫内部を進んでいると……
「クーラちゃん、あれってお目当ての……」
「間違いないですね(シュコー)」
保存状態のいい水中スクーターをついに発見した。ひとつは扇風機に掴まるような感じの一般的なカタチのもの、もうひとつは……
「こんなロケットが背中にくっついたような水中スクーターがあったんだ……あたしはパス」
「にえっ!?これをあたしが?!(シュコー)」
他に適任者がいないんだ、諦めろクーラ。それにさ、そんな代物まで背負ったら只者ではないオーラしか出てこないよ?このサイトでそんなキャラ、需要があるかはともかく、恐らく未開拓ゾーンだよ?
緑子 は 水中スクーター を 手に入れた!!
クーラ は (背負式)水中スクーター を 手に入れた!!
「うぅっ、女の子なのにこれじゃスーパーロボットじゃないですかぁ……(シュコー)しかもこの重装備にロケットみたいな水中スクーターを担いで平気な女の子なんて(シュコー)前代未聞ですよぉ(シュコー)、こんなんじゃお嫁にいけないどころかお婿も取れませんよぉ〜……(シュコー)」
「そ、そんなことないって、きっと作者みたいにそういう趣味嗜好を持った奇特な人が他にもいるって、多分……」
重装備にさらに拍車がかかり半べそ気味なクーラを緑子がなだめ、目的を果たした二人は第1倉庫を後にしようとした……その時だった。
「ヴゥゥゥゥゥ……」
「な、何?何なの!?」
「この呻き声はいったい……緑子さん、気をつけてください(シュコー)」
どこからともなく野獣のような声がする。二人はとっさにコンテナを背にし、武器を構えて警戒体制を取る。
やがてぱちゃり、ざぶ、ざぶ……と水面を不気味に揺らしながら現れたのは、バイキングスーツを着てフルフェイスマスクを装備したダイバーだった。その手にはいわゆるバールのようなものが握られている。
「こっ、来ないで!!」
「来たら撃ちますよ!!(シュコー)」
緑子とクーラはバールのようなものを握ったダイバーを威嚇するが、当の本人は、そんなことは上の空。得物を頭上に高々と上げながら、体を引きずるようにゆっくりと近付いてくる。
「来ないでぇぇっ!?」
「やむを得ないですね……(シュコー)」
降りかかる火の粉は払うまで。二人は敵に向け、ネイルガンと水中ライフルを浴びせる。
「グギャ、カ、パ!?」
放たれた釘やスピアは敵の胴体にめり込みフルフェイスマスクのゴーグルを叩き割る。バールのようなものをドプリと水中に落とした敵はそのまま背中から倒れ込み、自らも水中に浸かってしまった。
「はぁ、はぁ……何なのよ、か弱い乙女に向かって!!」
「あっ、緑子さん!?(シュコー)」
銃のようなものは初めて撃った緑子、些か興奮気味に敵が動かなくなったことを確認する。だがこれが不味かった……
「URYYYYYYYYY!!!!」
「ひっ、顔っ……いやあっ!??!」
「緑子さんっ!?(シュココー)」
まるで蘇ったように水中からむくりと起き上がる敵。晒された素顔はまるでゾンビのようで、緑子をがしりと捕まえると金魚鉢のようなヘルメットにぼろぼろの歯でかぶりつこうと試みているではないか。
「いや、やだ、死にたくないぃぃ!?」
「ウガウガガ……」
しかしフルフェイスマスクのフレームが邪魔をして、ゾンビダイバーは緑子に上手く噛みつくことが出来ずなんとも間抜け極まりない。しかし逃げようにも敵の腕力が思いの外強く、非力な緑子では脱出もままならない。
「緑子さん、今助けますっ!!(シュコー)」
クーラは落ちていたバールのようなものを握ると大きく振りかぶり、
「(シュコー)緑子さんを離してっ!!」
「ガビョ?!」
額目掛け一気に振り下ろした。ゾンビダイバーは顔面に得物の跡をクッキリと残し、再び水面に横たわる。
「かなり気が引けますけど……えいっ!!(シュコー)」
「ガバ、モガゴガ……」
「さぁこっちです!!(シュコー)」
「あ、うん!!」
さらにクーラ、ゾンビダイバーのだらしなく開く口にバールのようなものを差し込んで床に縫い付ける。そしてゾンビが水中でもがく間に緑子と離れた場所へと退避する。その手には、手榴弾が握られていた……
「成仏して……くださいっ!!(シュココー)」
そして彼女が標的目掛けソレを放り投げた後、第1倉庫には水柱が上がった。念のためにとクーラが確認に行くと、ゾンビダイバーの頭部と胴体は爆風でキッチリ抉り取られていた。
「あ、あいついったい……っていうか、ここで何が……」
「とにかく、今は引き上げて一旦落ち着きましょう……(シュコー)」
いくら賞金稼ぎが生業とはいえ、クーラも異形の存在には驚いたらしい、ゴーグル越しの目をしぱしぱさせていた。とにかく水中スクーターを拾い、そして生を拾った緑子とクーラは一先ず頭を冷やすべく宿直室へと戻るのであった……
to be continued...
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