テレザート星のテレサが幽閉された鍾乳洞。地上での戦闘は空間騎兵の奮戦により優勢に進み、その隙をみて古代、真田、アナライザーともう一人、戦闘班に所属する瀬下のぞみが侵入した。 まもなく洞窟のガトランティス守備兵との交戦が始まるが、奇襲に成功したため最初の戦闘は一方的に終わった。 ガトランティス兵の死体が散乱する中を進み始めた古代たち。しかし生き残った敵兵からの狙撃を受けてしまったのだった。 最初に撃たれたのはアナライザーだった。鋭い金属音を響かせたのみで、レーザーライフルから放たれたビームは消散した。 とっさの事態に驚く古代たち。狙撃兵のひそむ方向が特定できない状況では、むやみには動けない。 次に狙われたのはのぞみだった。 瀬下のぞみはヤマト戦闘班の多弾頭砲担当の17歳の見習い隊員だった。本来の隊員は、その直前の会戦で負傷したため、急遽のぞみが古代たちに同行することとなった。 まだ未成年ののぞみだったが、てきぱきと任務をこなし、見事に敵の戦車軍の壊滅に貢献していた。 思わぬ攻撃にひるみながらも古代、真田の両名はとっさに身をかがめて対応したのに対し、まだ戦闘訓練の進んでいないのぞみは棒立ちのままだった。 ビームライフルの光線はのぞみの胸の上部を貫き、心臓上部の大動脈と気管支を損傷した。 熱い衝撃と激痛によろめくのぞみ。 それが致命傷であることを瞬時に悟り、押しよせる恐怖と絶望でなにも言葉が出てこない。 希望を失った叫びも溢れる血によってすぐに絶たれてしまった。 なんとか立っていようとする努力も、遠のく意識とともに虚しく崩れ落ちた。 のぞみを殺した光跡から狙撃兵を発見した古代、真田は反撃に転じ狙撃兵を倒してここの戦闘は終わった。 すぐに行動せねばならない古代たちは、鍾乳洞の床に横たわるのぞみを残し、その場所を去っていった。 |