吹田宇宙港の地下にあるアームドパトロール西日本本部。 広大な貨物ターミナルの敷地内にマスドライバーのカタパルトが突出しているのが特徴的だが、ほとんどの施設は地下に潜っている。 スタスタスタという凛とした足音、そしてタンタンタンという少し早足気味な足音がその廊下に響く。 すれ違えば誰もが振り返りそうな女子高校生とまだあどけなさを残した女子中学生の二人組だ。 窓の外では本部からやや離れた鳥飼側にある着陸場に到着したシャトルを回送していく配給列車が通過していく。 レール二線に跨がる大柄な専用貨車を電気機関車が二両がかりで牽引していて、 結構な轟音をたてながら二人の横を通っていったが彼女達は特に驚いたりする様子もない。 「舞衣、週末はどこに行こっか?今度の休みはあんたに任せるわ」 エレベーターに乗り込みながら、高校生の方が問う。 「本当ですか!?ありがとうございます〜。そうですね…こんなお店はどうですか?」 小柄な中学生も遅れず続きながら、スマートフォンを取り出した。 |