【パイロットスーツリサイクル】



プロノイド軍が計画した強襲作戦でファウンデーション・ヴァインシュタインの鉱物資源惑星が奪取された。

ファウンデーションの維持にとって重要な資源を奪還すべく、スペースレスキュー隊(SR隊)によって奪還作戦が敢行された。

まず資源惑星の敵駐留艦隊の戦力を知るために偵察機を幾度となく向かわせたのだが・・・・
すべて未帰還に終わり、貴重なパイロットを消耗しただけで、何も情報を得られないでいた。

このままでは資源惑星の守りをさらに強固にされかねないと焦った司令部は、より高機動かつ高性能な偵察機での強行偵察作戦が立案された。

しかしプロノイド軍との激戦でパイロットの損耗率が激しく、操縦の必要のない強行偵察機のサブシートに、
貴重なパイロットを当てられないと判断した司令部は、偵察機のサブシートに、ブリッチクルーでオペレーターの娘を乗せる事にした。




メグミ[えええーーーーーっ!!!!?どうして私なんですか!!?]

上官[それは・・・え〜・・・その・・・メグミちゃんが適任だからだよ!]

メグミ[絶対ウソ!!私って養成所の頃から操縦とか苦手なんですよーーーっ!!!]

上官[いや操縦はしなくていいんだ]

メグミ[ん???]

上官[メグミちゃんはサブシートで敵索してそれを記録するだけだよ]

メグミ[そうなんですか〜?失敗とかしません?命の危険とかないですか?そうそう!飛ばし過ぎの事故とか!大丈夫です?]

上官[あ、・・・(イライラ)・・・・そ、それは大丈夫だ保証しよう!最高のパイロットと最高の偵察機を用意した!
そ、それと・・・君のモニタリング能力は最高に素晴らしい!だからこの任務に適任なんだよ!]

メグミ[むふーん〜なるほどね!確かに適任ね!!この任務、私しかいないわ(キリッ)!!]

上官[・・・そ、そうだ!メグミちゃんしかいない!!よし!早速だがパイロットスーツを受け取りに第5整備ドッグに行ってくれないか?
向こうには伝えてあるから頼んだよ!(何とか行ってくれたか)]

メグミ[はい!行ってきます!!(ビシッ!)]


メグミは上官にそそのかされてノリノリで整備ドッグへ向かって行った。




メグミ[え〜と・・・・第5、第5・・・あっ!ここかぁ〜え〜と・・・こんにちは〜・・・
あの〜ここでパイロットスーツを貰うように言われたのですが・・・・]

整備兵[あー聞いてるよメグミちゃんだろ?ちょっと待ってて・・・えーと〜・・・あんたのサイズならねー今日でたばかりのが・・・]


整備兵は袋の中から一着のピンクのパイロットスーツを取り出し、メグミに投げた。


整備兵[おっ!これだ!ほらよ!]

メグミ[キャっ!?わぁぁ〜可愛いパイロットスーツですね〜♪]


パイロットスーツの色が気に入り喜んで見ている内に、パイロットスーツの肩に付いている部隊章を見てメグミは驚いた。


メグミ[えっ!!?ちょっと!?これって・・・この前の戦闘で全滅した部隊の部隊章じゃ・・・どうしてここに・・・?]

整備兵[ん?そうだよ、今しがた戦場清掃で回収したばかりのやつだ]


そのパイロットスーツは、洗浄されてずに届けられた為に、パイロットスーツの中はうっすらと濡れており
前に着ていたパイロットの体臭や小水の臭いが残っていた。


メグミ[回収?って!?ちょ、ちょっとこれ!まだ濡れてるじゃない!!]

整備兵[ん?あーそりゃ〜さっき回収したパイロットから剥ぎ取ったばかりだからなぁ]

メグミ[剥ぎ取ったって!!?それって死体からですよね!!!]

整備兵[そーだよ!何か問題あるかい?前に着てた娘は救難信号を出してたんだけど救出が遅れて結局、窒息死しちゃったんだよ・・・
だから穴も空いてないし、着てたパイロットも女の子だったからデザインも可愛いし、意外と綺麗だろ?]


メグミ[そ う じゃ ないです!!死体からってのが問題なのよ!!]

整備兵[ああぁぁーーーっ!!うっせーなっ!!パイロットスーツの支給が遅れてるから仕方ないんだよ!!仏さんだって脱がされて可哀想だろ!]

メグミ[でも・・・なんか臭うし濡れてるし・・・]

整備兵[ったく・・・嫌ならパイロットスーツなしで!その制服のまま出撃するんだな!ふんっ!(もう知らん!)]

メグミ[そんなぁ!]

整備兵[あっ!そうだ・・・]

メグミ[ん?]


整備兵は思い出したように袋の中を漁り始めた。


整備兵[これがなきゃダメだよな〜ほらよ!]


整備兵は、パイロットスーツとお揃いのヘルメットを、メグミに渡した。


メグミ[うぅあぁぁ・・・あ、あの・・・・これって・・・ベトベトなんですけど(汗)・・・・]


受け取ったヘルメットのバイザーには、死んだパイロットの唾液が飛び散り、内部の吸収材も唾液や汗をかなり吸い込んでいた。


整備兵[そうだろうな〜窒息死だったから、かなり苦しんだろうし、ツバとか汗とかも、たっぷり染み込んでるだろうな〜まぁ〜俺なら嬉しいけどな(笑)]

メグミ[あはは(ええっ)・・・あの・・・ヘルメットもこれしか、ない・・ですか?・・・・]

整備兵[うん!ないよ!あっ!?そんな事より早く着て出撃してくれよ相方がまってるぜ!アリスは気が短いからさぁ]

メグミ[・・・うぅぅ・・・わ、わかりましたぁ・・・]


パイロットスーツは前着用者の汗や尿で濡れてスーツどうしが張り付いていた。

メグミはそれを剥がしながら濡れたスーツ内に腕を挿入していく。


メグミ[うわぁ〜汗で張り付いてるよぅ・・・ひゃっ!?冷たっ!そ、それに・・・き、きついーーーっ!!]


湿ったスーツに袖を通し終え、ファスナーを徐々に上げていくと、濡れたパイロットスーツが胸に張り付き全身を締め上げていく。
首元までファスナーを上げ終わると、今まで感じた事のない拘束感に妙な気持ちになる


―ジ、ジィーーーーーーーージッ・・・―

メグミ[うぅぅわぁぁぁ・・・・き、気持ち悪ぅぅ・・・それにしても、なんなのこの拘束感は・・・サイズ合ってるのかなぁ・・・・
あ・・・(なんか・・アソコの辺りがヌルヌルしてるし・・・なんでよ!)]


次に唾液まみれのヘルメットを被ろうとするが、内部の汗と唾液の臭いに被るのに抵抗を感じる。


メグミ[・・・これ被らなきゃダメなの・・・はぁ・・・・うっ!?これ、思ったより臭うじゃない!!]

整備兵[・・・ったく!・・・・(イライラ)]


メグミ[もーっ!はいはい被りますよーーーだ!]


イラついてる様子の整備兵に促されるように仕方なくヘルメットを被る。


メグミ[よーし!んんっ!くっ!・・・・・ぷはぁーーー・・・・・・うっ!?・・・うぷっ!臭ぁぁぁい!スーツは体に張り付くしヘルメットは臭いし泣きたいよ〜(泣)]


整備兵「よーし!着れたな〜お!似合うじゃん!それに可愛いぞ♪うん!よし!大丈夫だ!ほれ〜さっさと行った!行った!」

メグミ「はーい(泣)」


不満タラタラなメグミが偵察機に到着すると、上官の言っていた最高のパイロットの意味がわかった。

その少女は狭いコックピットでも余裕ができるはど小柄で、クローンによくみられるアルビノのような髪と瞳をしていた。


メグミ「あの〜一緒に出撃するメグミです・・・あなたがアリスさんよね?」

アリス「出撃450秒前・・・早く乗って・・・出るから・・・」

メグミ「は、はい!(何!この娘!凄く無愛想だし)」

アリス「ねー・・・・あなたパイロット?・・・」

メグミ「えっ!?あっ!ち、違います!オペレーターです」

アリス「・・・そうなの?・・・でも、そのパイロットスーツ・・・」

メグミ「あ、これはですね〜中古なんですよ〜スーツサイズ合ってないみたいでキツいヘルメットは臭いしやんなっちゃう(苦笑)」

アリス「そう・・・それ、私の友達のスーツよね・・・戦死したって聞いたわ・・・それに、あの娘、臭くない・・・」

メグミ「あ・・・ぅ・・・ごめんなさい(汗)」

アリス「・・・・・・・・・」

メグミ「・・・・(気まず〜)・・・」



そんな気まずい空気を掻き消すように、出撃を促す通信が入る。


オペレーター「アリス機、出撃OKです」


アリス「了解・・・出ます・・・」


スロットルを絞りアリス機が出撃していく。

結局、気まずい空気のまま偵察宙域付近まで来てしまった。


メグミ「あの〜そろそろ偵察宙域なんですけど〜・・・(恐る恐る)」


アリス「・・・知ってる・・・・・」

メグミ「えっ(汗)・・・じゃ、じゃあ準備するね(何か言えー!!)」

アリス「・・・うん・・・・」


広域敵索レーダーのスイッチ入れるとモニターに敵の分布が表示されていく・・・
そこには戦艦だけではなく小型から大型まで様々な迎撃機を展開し警戒態勢をとっていた。


メグミ「ちょっ!?これって戦艦だけじゃないわよ!どうして迎撃機まで出してるのよ!!」

アリス「・・・バレてたみたいね・・・」

メグミ「バレたって!?どうして!?」

アリス「敵のが目が良かっただけ・・・」

メグミ「そんなぁ〜どうするの?」

アリス「・・・このまま敵索します・・・・」

メグミ「ええーーーっ!!!?逃げないの!?」

アリス「っ!?・・・ウルサイ・・・これが任務だから逃げない」

メグミ「逃げないって!?どうやって敵索するのよ!バレてるんじゃやられちゃうよ!」

アリス「黙って・・・この偵察機は一般的な偵察機の2倍の速度がでます・・・敵は追ってこれない・・・
だから・・・一気に敵の中を突き抜けます・・・」

メグミ「そ、そんなぁ〜死にたくないよ〜(泣)」

アリス「行きます・・・敵索よろしく・・・」

メグミ「えっ!?りょ、了解!」


偵察機はスロットル全開で敵陣に突っ込んでいく、それを迎え撃つかのように迎撃機が、戦闘陣形をとる。


メグミ「敵が待ち構えてるよ!」

アリス「わかってる・・・来るわ」

メグミ「キャーーーッ!!?撃ってきたよー(泣)」

アリス「うん・・・大丈夫、当たらないわ・・・」


敵の戦艦や、小惑星に設置されたトーチカから、対空砲火が浴びせられる。迎撃機もレーザー機銃を掃射しながら迫ってくる。


メグミ「あぁぁー揺れる〜(泣)」

アリス「惑星の反対側までいくわ・・・」

メグミ「うあぁあぁっ!りょりょーかい」


嵐のような激しい対空砲火の中、戦艦や迎撃機の間を突き抜けていく偵察機・・・
追撃して来る小型迎撃機のレーザー機銃が、偵察機を何度もかすめ、数発が機体装甲に命中する。


―バシュ!バシュ!キュン!キュン!バシュ!ガッ! バン!―


メグミ「キャッ!当たってるよー!」

アリス「このくらい大丈夫・・・」


メグミ「ま、前に迎撃機!!?どうして!?」

アリス「くっ!」


待ち伏せしていた迎撃機からレーザー機銃が浴びせられる。


―バシュ!バシュ!バシュ!バシュ!バシュ!キュン!キュン!ガン!ガン!ガッ!ブシュッ!―


メグミ「もーーーっ嫌ぁぁぁーーーっ!キャァーーーーッ!!」

アリス「っ!・・・うぐっ!!・・・・抜けます!」


偵察機は敵弾の嵐の中を駆け抜け、敵の追撃からも辛うじて逃れる事ができた。
しかし機体はかなりのダメージを負ってしまった。全力で駆け抜けた動力も損傷し瀕死の状態、モニターや計器類は完全に死んでいた。
アリス達は動くことも出来ずにただ宇宙を漂流していた。


メグミ「ふぅ〜〜〜助かるとは思わなかったわね〜でもエンジン止まっちゃったね」

アリス「・・・・・・」

メグミ「結構当たったしな〜機体のチェックしないとね〜」

メグミ「ん〜〜〜やっぱモニター死んでるわ・・・チェック出来ないね(汗)」

アリス「・・・・・・・」

メグミ「ねーアリス〜私たちどうなっちゃうの?」

アリス「・・・ダ・・メ・・・かな・・・・・・・ぅくっ・・・」

メグミ「ダメってアハハ・・・ん?アリスどしたの?」


メグミが前席のアリスを覗き込むと、アリスは腹部を手で押さえ、うつ向き小刻みに震えながら何かに耐えている様子だった。
メグミが身を乗り出して覗き込むと腹部を押さえる手の隙間からは血が大量に流れ、太股やシートを真っ赤に染めていた。


メグミ「キャッ!?アリス撃たれたの!?は、早く止血しないと!」

アリス「・・・無理・・かな・・・・」

メグミ「えーっ!?止血パッドないの!じゃあ早く帰還しよ!操縦出来る?」

アリス「・・・ちがう・・・私が無理・・・・」

メグミ「無理って・・・そんなに?・・・」

アリス「うん・・・はぅっ!?んぐっ!!ハァ・・・ハァ・・・」

メグミ「ちょっ!?ちょっとー!死なないでよ!」


アリス「・・・後・・・ぅっ・・30分・・もた・・ない・・・私も・・・酸素も・・・ハァ・・・ハァ・・・」

メグミ「30分・・・酸素も・・・それってここで死ぬって事!?」

アリス「・・・うん・・・私のが先に死んじゃうけど・・・んっ!ガハッ!ゴホッ!ゴホッ!はぁー・・・はぁー・・・」

メグミ「嫌ぁぁぁぁーーーーーっ!!!アリス!絶対死んじゃダメ!!がんばったんだから!ダメだよ・・・還らなきゃ・・・」

アリス「うんっ!・・・んはっ!ぁうっ!ご、ごめん・・・さよう・・なら・・・みたぃ・・・・ぅ・・・・・」

メグミ「う、嘘・・・・・ちょっとー!起きなさいよー!ごめんって何よ!!ねーーーー!・・・・アリス・・・・・うぅぅ・・・・」


メグミは必死にアリスを揺すった。
しかし、アリスの身体は力無く右往左往するだけで、既に事切れていた。


メグミ「私・・・どうするのよ・・・グスン・・・」


そして、メグミにも終りが近づいていた。
機体に空いた穴から空気はすべて漏れ出してしまい空気と呼べるものはヘルメット内部にしか残されていなかった。


メグミ「はぁー・・・はぁー・・・うぐっ!空気が・・・・濁ってきたかも・・・・はぁー・・・はぁー・・・はぁー・・・
この・・・パイロットスーツの・・持ち主も・・・はぁー・・はぁー・・怖かった・・はぁー・・はぁー・・のね・・はぁー・・
はぁー・・こんなの嫌!!・・・」


メグミは酸欠の恐怖の中、パイロットスーツの持ち主の最後を想像していた・・・そして、メグミにも静寂が訪れる・・・


メグミ「はぁーっ・・はぁーっ・・はぁぁ・・んんんーーーっ!!うっ!・・・っはぁー・・・っはぁー・・・うっは!・・・ゔっんぁ!あっぐ・・・ぅぅぅっ・・・っぁ・・・・んんっ!!・・・・うぅ・・・・っぁ・・・・・・」


メグミは苦しさのあまり喉を掻きむしり顔を左右に振り乱し、ヘルメットのバイザーに唾液と汗と涙を撒き散らし、パイロットスーツの中には小水を漏らしながら窒息の苦しみの中、悶死した。
奇しくも、パイロットスーツの持ち主と同じ最期になったメグミだった。



その数日後・・・
偵察機は回収され、強行偵察のデータも無事回収
そのデータは資源惑星奪還作戦に役立つ事となる。
メグミとアリスは死して任務を成し遂げた。

そして二人の遺体も回収された。
アリスは腹部を破片に貫かれ失血死したようだ
パイロットスーツやヘルメットは血まみれでリサイクル不能と判断
遺族にそのまま引き渡された

一方メグミは前のパイロットスーツの持ち主と同じく窒息死だった為
メグミの着ていたパイロットスーツは汗や尿で汚れてはいるものの
穴などの損傷が無かった為リサイクル可能と判断

ふたたび非正規パイロットが着る事になるだろう

END



設定

[メグミ]
年齢18歳
身長157cm
見た目は日本人っぽいくキリリとした印象を与えますが話すと緊張感がまったくありません
髪は茶髪のセミロング

SR隊員養成学校時代からオペレーター志望でした
理由は運動も射撃も操縦も下手くそだったからです
得意な事と言えば話す事で話すと止まりません
とにかく遠慮していても一言多いです
上官も手を焼いているようです
性格は明るく前向きなKY
メグミが着ていたパイロットスーツは薄いピンクを基調にサイドに白のラインが入ってます

[アリス]
年齢16歳(SR隊員養成学校でパイロットになる為の訓練しか受けてないため他の隊員より若年)
身長142cm
見た目はアルビノで目はパッチリしていて一見活発そうですが物静かでチビ
髪はホワイトのナチュラルミディ

彼女は優秀な遺伝子を組み合わせて作られたクローンです
しかし成長過程は普通の人と同じです
よく大きな試験管で育てられてるのを想像しますが
アリスは母親と父親のいる普通の家庭で育ちました
性格は物静かで友人には笑顔も見せる普通の女の子です
しかし見た目がアルビノな為に多少なりとも他とは違うという意識はあるようです
メグミのようなKYな人は好きではないようですが・・・
アリスが常人と違うのは戦闘に関するスキルで、特に操縦に必要な能力は飛び抜けています
アリスが着ていたパイロットスーツは水色(少し白がはいったような色)にサイドに白ラインです




SS GALLERY一覧に戻る







累計13284 今日2 昨日0


☆グラビアBOX☆
掲示板カテゴリ検索
写メ/待ち受け 動画/ムービー
音楽/エンタメ 雑談/その他
趣味/スポーツ
無料レンタルBBSebbs.jp