うつ病の人を理解するための8つのこと


 全世界でうつ病に苦しむ人の数は3億5000万人にのぼると言われている。
日本では、2008年が104万人とピークに達し、その後徐々に減少し、2011年では95.8万人となった。
それでも1996年の43.3万人と比べると、倍以上もの数値である。

 うつ病は患者にどのような影響をあたえるのか?
全第三者がその作用を理解し、はっきりさせるのは困難だとされている。
世界保健機関(WHO)によると、うつ病になると、普通の気分の変動とは異なり、自分の力で自分を立ち直らせることが困難となり、持続的な悲しみの感情を2週以上にわたり誘発し、仕事や学校や家で支障のない生活を送ることを遅延させているという。

 まわりにいる人がうつ病を見分け、早期に援助の手を差し伸べることが回復の助けになるという。
ここではうつ病を抱える人の8つの症状を見ていくことにしよう。少しでも彼らの苦しみを和らげてあげられるかもしれない。


1. 元気になったようなそぶりをみせた時は、逆に限界が近い証拠。
 辛いことだが、うつ病はある朝、目覚めたらすっかりよくなっているといったようなものではない。もし、うつ病の人が「すっかり良くなった」というようなことを言い出したら、"もう耐えられない"というメッセージを送っている証拠かもしれない。

 ミシガン大学のうつセンターの事務局長、ジョン・F・グレデンによると、こうした言葉は精神疾患を理解してもらえないことから出てくることが多いという。なにが起こっているのか愛する人にも理解してもらえないと、ぼやくのををやめ、落ち込む様子を見せないようになるようだ。病気なのだということを理解してもらえないから、「もう、うつ病は治った」というような言葉を使ってしまう。
それはもどかしくてイライラしている証拠なのだ。


2. うつ病で落ち込んでいる症状は、悲しみの状態と混同されることが多い。
 人々は深く悲しんでいる状態をうつ病と勘違いしてしまうことが多い。米国カウンセリング協会のデイヴィッド・カプラン博士によると、"悲しみ"と"うつ"はまったく同一のものではないという。
 人はやたらと「うつ」という言葉を多用するが、「あの人はうつ病だ」と言うときはたいてい、"悲しみに苛まれている"という意味で使っている。
"うつ"というのは臨床用語なので、はっきり区別する必要がある。


3. 普通の暮らしを営むことの困難さと常に戦っている。
 慢性的にうつ病に苦しんでいる人にとって、ささやかな勝利などない。何かをすることはすべて"成し遂げる"という大きな勝利になるだからだ。

 「ほとんどの人にとって毎日は同じことの繰り返しだ。だがそれは彼らにとってとても大変なことなのだ。」こう語るのは、サウス・フロリダ大学の心理学准教授、ジョナサン・ロッテンバーグ氏。うつ病の人がベッドでゴロゴロしているのは、毛布の中でぬくもりを惜しんでいるわけではなく、本当にベッドから出ることができないからだ。彼らにとって、シャワーを浴びたり、着替えたりするという単純なことが、大変な苦労を伴うのだから。


4. うつ病の喪失感による疲労は、一般的な疲れの比ではない。
 会社で働いている人にとって、午後3時は、一番疲れを感じ、3杯目のコーヒーが欲しくなる頃だが、そんなものはうつ状態のときのエネルギーの喪失ぶりとは比べものにならない。うつ病でやる気が出ない場合、本当に筋肉が動かない状態であることがある。仕事に行ったり、集中したり、笑ったりすることが物理的にできなくなってしまうのだ。


5. 身体的な障害がいくつも出る。これは精神の障害と同じくらい辛い。
 うつは気分の問題だと考えられていたことがあるが、これは大きな誤解だ。うつ病のほとんどの人に、実際に体の具合が悪くなる身体的な症状が出る。そうなると、これはうつ病ではなく、どこか体が悪いのだと思われてしまう。

 うつ病になると、消化不良、吐き気、頭痛、耳鳴り、関節や筋肉の痛みなどの症状が出る。また、もともとあった身体的な病気が悪化することがある。こうした体の不調は、気分の不調と同じように、毎日の生活に影響を与える。心と体はつながっているのだ。


6. かつてはおもしろいと思っていたものを楽しめなくなる。
 うつは人生のささやかな喜びでさえ打ち砕いてしまう。友人と出歩いたり、ゴルフをしたり、恋人と過ごしたりすることが、以前ほど楽しくなくなってしまう。うつはその人の人生を大きく変えてしまうのだ。

 こうした興味の喪失は、体の不調と一緒になって、危険信号を発する。こうした人を助けるためには、まわりが心を大きくもって、継続的に支えてあげることが大切だ。

7. 自分の感情をうまく伝えることが困難になる。
 うつになると、自分の心の中を言葉にするのが難しくなり、"まわりの人は誰も自分のこの気持ちをわかってくれない"と感じるようになる。精神疾患をもつ人の25%が、まわりは同情的な目を向けるだけだと感じているという。

 うつとは、自分や世界や将来を否定的に見ることだ。すべてが暗く見え、"誰にも理解されない"と感じる辛い状態なのだ。


8. うつの症状は人それぞれ違う。
 うつによる不調の症状は人によってさまざまだ。ネットでその症状を調べたところで、必ず該当するとは限らない。症状も、原因も、治療法も人それぞれ違うのだ。

 ある人にとっては、薬がベストでも、ほかの人にとっては長期のセラピーのほうが効果があるかもしれない。その治療法が自分に効いたからといって、万人に効くわけではない。

 だが、すべての人に治療の道がある。大切なのは、諦めずに治療法を探すことだ。うつ病の人の苦しみをひもとく助けになる方法はいくつもある。うつ病についての偏見や誤解を捨てるのもそのひとつだ。病気としてのうつについて、もっとオープンに話しあう必要があることを知ろう。

 うつは弱さでも甘えでもない。モラルの欠如でも、誰か他人がもたらしたものでもない。うつを理解することは、愛する人を助けるための力強い一歩なのだ。

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