封印フイルム (1



「本音」で銃弾を浴びた彼女の偵察前の出来事です…

「あれ?なんだろうこの『封印』されたファイルは?」
 彼女は前回偵察に行ったデータを覗こうと基地内のサバーにアクセスした際
ひょんな事からふれてしまったホルダーをめくったら
パスワードで封印された名前の無いファイルを見つけた
「パスワード…なんだろう?ええい私の使っているパスワードで開いたりして!」
そう言って彼女は自分の使っているパスワードを入れた
「あれ?…開いちゃった…映像?ファイル…」
クリックした先から動画が動き出した
「あれ?これ、見たことあるよ?」
基地へ配属された際、研修中に見せられたビデオだった。
「ここにあったんだぁ研修で見せられてから探したんだよねぇ」
そこには偵察機のコクピット内のパイロットが映し出されていた
「そろそろよねぇ…キタァ!」
そしてパイロットが銃撃を受ける所が映し出されていた


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封印フイルム (2



「そうそう…ここで虫の息よね…」
映し出されているパイロットは体中を被弾し、まさに今、命の火が消えようとしていた…
「これを見てトラウマになって隊員を辞めちゃう人もいるってね…モッタイナイ」
研修にて見せられ、メンタル面からも適応する事を求められていく、
偵察行動は常に死と隣り合わせなのだから…
「最高の死に方だと思うんだよなぁ…」
ビデオを見ながら彼女は思わず自分がここ
の隊員になった目的をつぶやいた


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封印フイルム (3



「あっ、死んだ!」
映し出されたパイロットはその後、動かなくなった
「いいなぁ、この装備が死装束かぁ」
羨ましいと思った彼女は思わず自分の装備を身につけ始めた…
「この装備で死んだのかぁ…はあぁあ羨ましいよう!」


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封印フイルム (4



「そしてこれで最後よね」
コクピット内にも火が回り、パイロットを炎が包み込んだ
「あとは墜落の衝撃で映像が途切れるまでよね…」
研修の際、この場面で動画は終わっていた
「あれ?…この続きあったんだぁ♪ラッキー」
彼女はその先も見る事にした
「それにしてもなぜ『封印』なのだろう?全然問題ないじゃん研修のと一緒だし〜・・・ええ!」

映し出されたコクピットの画像は地面に激突する寸前の画像で途切れると思っていた

しかし『封印』のその続きを見た彼女は思わす声を出して驚いた


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封印フイルム (5



その続きに写っていたのは
銃弾を浴び墜落寸前の機体のコクピットの様子とそこで力なく座っているパイロットの死体・・・
しかし、最後の数コマの所にとんでもないものが映し出されていた!

「このパイロット、今こっち見て微笑んだ・・・」

そこに映し出された死体は最後の数コマでこちらに向かって微笑んだ・・・
「こんなの見せられるべきじゃない!」
「ヤバイよこれ!こんなの見ちゃダメ!!」

そして背筋に寒さを感じたと同時に
「まさか・・・はやく脱がなきゃ!」
今着た装備を急いで脱ぎ始めた彼女の部屋をノックする音
扉を開くと、そこには司令官が立っていた・・・
「ちょうどいい!そのまま脱がなくてもいいよ!
君に偵察を命じるところだったのだから」
司令官のその言葉を聞いた時彼女は後悔した…
「まさか私これで帰って来れないって事などないよね…」


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