砂漠の遭難機



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グリーゼ667C恒星系c星でクラスター実習中の訓練生が行方不明となった。
遭難した隊員は乙事美樹 16歳の女子訓練生。
砂漠地帯で磁気を帯びた砂嵐が吹き荒れる中捜索は難航。不時着したクラスターが発見されたのは事故から3日後のことだった。
破損した機体の周辺には美樹の姿はなく、2週間後にSR隊による捜索は打ち切られた。
クラスでは皆に好かれていた美樹の捜索はクラスメートたちによって続けられ、1か月あまり経過したのちに美樹の遺体はついに発見された。
遭難地点より16km離れた砂漠の岩場でうつ伏せに倒れていた美樹の身体には、未知の異星生物が群がっていた。パイロットスーツの首の部分が破られて、そこから胸郭内に2匹が入り込み、体内を食べられていた。
冬季にあたる時期もあり、そのほかの遺体の状況は良好で検視の結果、死因は窒息死ということが判明した。
事故後およそ3日ほど生存していたことが分かった。
ヘルメット内の装置に記録されていた美樹の報告は、墜落直後から絶えず何かに監視され、追われている様子が伺えた。
脅かされた美樹は破損した機体から逃げるが、常に至近に何ものかが付きまとっているようだった。
記録を残した美樹は怯えながらも冷静に事実を残そうと努力していたが、映像記録のほとんどは磁気嵐の影響で復元不能なまでに破損していた。
記録の最後は、何か大きな動くものが接近してくるノイズのひどい映像と、美樹の恐怖の絶叫で終わっていた。







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