さよならブルードルフィン



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捕らわれてから何日経っていただろうか。
絶え間なく続いた尋問と凌辱が行われなくなり、収監の待遇も改善された。
弱り切っていためぐみも少しずつ回復してゆき、再び希望が戻ってきている。
「敵になっても、やっぱり同級生なんだ…」
ボルトの幹部たちは虐待が止んでから姿を見せていない。囚人となっているめぐみの世話をしているのは意思のない機械人形ジンマーたちだった。

突然ドアが開くとボルトの幹部、マゼンダがやってきた。
「これを身に着けて、出ろ。」
マゼンダが手渡したものはツインブレス。ライブマンに変身する装置だ。しかしロックされていて使えなくなっている。
マゼンダに連行された先は、打ち放しのコンクリで覆われた広い部屋だった。

再びあの凌辱が再開されるのかとめぐみは落胆した。ボルトの幹部たちはより屈辱と征服感を味わうため、ブルードルフィンに変身しためぐみをさんざんにもてあそんだのだ。

「私は負けない。きっと仲間が助けに来てくれる!」
広い部屋は大きな体育館ほどの広さがあるようだった。暗いがらんどうの中一人残されるとツインブレスのロックが解除される。
「変身しろ。」
スピーカー越しにドクター・ケンプの声が響く。
命令に応じないと軌道上のヅノーベースより、地上に無差別攻撃がなされる。
言われるままライブマンに変身するめぐみ。
ライブスーツはエネルギーがフルチャージされていて、戦闘でのダメージや凌辱での汚れはすべてクリアされていた。
ブルードルフィンとして闘えることに気が付き、ホルスターのライブラスターを抜くも、さすがにこちらは使い物にはなっていなかった。
成り行きが読めずとまどうブルードルフィンはまたケンプの声を聞いた。
「これより電磁弾体加速装置の試験を行う。実験隊はライブマン・ブルードルフィン」
扉が開くとドクター・オブラーが現れる。手には銃身の長い射出兵器を持っていた。
「はっはっはっ、今日が最後だブルードルフィン。せめて我々の新兵器の実験の役に立ってくれ。 …では、死ね!」

その銃から放たれる銃弾は恐るべき貫通力を持っていた。
めぐみを守っているライブスーツの表層バリアーも数発の被弾でエネルギーを使い果たし無効化された。残るはライブスーツ自体の耐久性だが、この強力な攻撃を防ぐことはできなかった。

「勇介、丈、さよなら!」






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